私は40歳を手前に、確定拠出年金の拠出を始めました。私の会社では企業型DCが導入されていましたので、iDeCoではなく企業型DCで運用することになりました。
今回は私が現在までやってみた感想や、私の実体験をモデルに企業型DCのメリット等について紹介したいと思います。
現在の運用状況
まず現在の運用状況は下記のようになりました。

資産配分はこのようになっています。

最初はバランス型の投資信託で運用していたのですが、どうせ長期運用で途中で引き出すこともできないので、含み損の期間が増えるかもしれないですが、先進国株式インデックスのほうが最終的にはパフォーマンスは上がるだろうと考えて、途中からは先進国株式インデックスの投資信託(MSCIコクサイに連動するタイプ)のみに適用するようにしました。
また、ローリスク・ローリターンの商品であれば、運用益が非課税になる確定拠出年金の中で運用するメリットが薄れるので、必要であれば別の証券口座で持っておけばよいかなと考えています。
拠出額は月額55,000円(年額660,000円)をすべて活用するスタイルです。会社掛金額が月額27,500円に対して、マッチング拠出で本人掛金として月額27,500円にしています。
最近は株式の資産クラスの成績がすごくよかったので、結構な含み益になりました。
おかげで短い期間ですが、結構な金額になりました。
シミュレーション結果では60歳到達時の予想は下記のようになるようです。

灰色が掛金、水色がぶれ幅、緑が中央値、オレンジが目標利回り(5%)です。
40歳前後から始めても、最大の掛金であれば、これくらいの効果はあります。
うまくいけば60歳時点で2,000万円に届きそうです。
今後は先進国株式の比率を上げていきますので、ぶれ幅はさらに大きくなる見込みです。
なぜ確定拠出年金(企業型DC)を始めたのか?
私は企業型DCを始める前までは退職金を前払いで貰っていました。
30代中盤までは、『将来もらえるお金より今もらえるお金のほうが価値がある』という考え方でした。
若いうちに貰える1万円と60代になってから貰える1万円なら、若いうちに貰える1万円のほうが価値がある気がしませんか?
若いうちは体も元気だし、時間もあるし、いろいろなことを始めるパワーもあるけど、お金はあまりありません。年をとってからではお金の用途が限られますよね。
また、企業型DCは、こちらが興味がないタイミングで一斉に社員を集めて制度説明をされることが多いと思いますが、そのためか商品含めいまいち魅力を感じられず、インフレのリスクもあるし、株式とかなんか怖いし、奨学金の返済もあったし、ということで加入せずに放置していました。
考えが変わってきたのは30代後半になってからです。
まず、結婚や子供の誕生など、直近の大型出費は終わりましたし、長かった奨学金の返済も終わりました。
そして、家族が増えて生活スタイルも変わってきましたし、年収が上がるように努力して、少しだけ出世して、給料も少し上がりました。
しかし、所得が増えると、今度は税金と社会保険料の負担がすごく気になりました。
そして、何かできないかと思い企業型DCの存在を思い出しました。
年金の積み立てを40歳手前から始めて、どれくらい効果があるかわからなかったのですが、税制面のメリットが大きかったので始めることにしました。
私が企業型DCを始めて良かった点
税金、社会保険料が軽減できた
私はそれまで退職金を前払いで貰っていたので、それに対しても所得税や住民税などの税金、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料がかかっていました。
企業型DCにすることで、前払い分の税金、社会保険料が軽減されます。
また、マッチング拠出での本人掛金分も所得税や住民税が軽減されます。
マッチング拠出の節税効果は「ろうきん」のページでシミュレーションすることができます。
ただ、最終的に受け取るときには税金がかかるのですが、これについては退職所得控除を活用することで大きい金額を控除することが可能となります。
また、税金以外にも、子供が保育園を利用していれば、認可保育園の保育料は世帯の所得に応じて決まっているので、結果として世帯収入の区分が下がれば、保育料を下げることができます。
投資について勉強するようになった
企業型DCを始めることで、投資について興味を持ち、勉強を始めるきっかけになりました。
今では、つみたてNISA、特定口座でのインデックス株の積立投資や個別株の売買も行うようになりました。
資産運用のとりかかりとして、まず確定拠出年金はよいと思います。
そういう意味では、若いうちから少額でよいから加入しておけばよかったなという気持ちになります。
企業型DCのデメリットはどうだったか
よくある確定拠出年金のデメリットについて現時点でどうかを考察します。
60歳まで現金化できない
これに関しては、私はもともと60歳時点での資産形成を目的としていますので、現状問題なしです。
もし会社を退職して企業型DCが使えなくなったとしても個人型(iDeCo)に移換することができるので、今後も問題はなさそうです。
ちなみに法改正により2022年5月から70歳未満まで加入できるようになるので、70歳まで続けることができますが、私は60歳までを目指したいと思います。
ただ、子供の学費は今後必要になるので、別で資産管理をしています。
元本割れがある
元本変動型の商品を選んでいますので、元本割れのリスクはあります。ただ、先進国株式インデックスの長期投資であればほぼ問題ないと考えています。
商品が少ない
つみたてNISAと比べると、ほんとに少ないな・・・と思います。
私の信託会社の商品は、株式は日本株式の投資信託が3本、外国株式の投資信託が1本だけです!
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020」みたいな話題になるような投資信託は1本もありません。
そこそこ信託報酬も安いんですが、やはり同じMSCIコクサイ・インデックスをベンチマークにする先進国インデックスの投資信託でも、世間で話題になることも多い「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と比べると見劣りします。(まぁ我慢できないほどではないですが)
これについては法改正で、2022年10月からは企業型DCとiDeCoの併用ができるようになるので検討していきたいと思いますが、企業型DCとの併用なので、管理が2つに分かれて煩雑かなと思うので悩ましいところです。
やってみて思った注意点
無理のない金額で余裕をもったほうがいい
私は始めるのが遅く、すでに前払いで貰っていた退職金を含めるとある程度貯金があったので、限度額にしていますが、掛金の変更は1年に1回しかできないので、余裕がある金額でやったほうがよいと思います。
特に若いうちは、収入が少ないわりにお金が必要な事も多いので、結婚など大きい資金が必要になるライフイベントまでは貯金のほうを厚めにして確定拠出年金は少額で始めたほうがよいと思いました。
日々の評価損益は気にしないほうがいい
元本変動型の商品を選ぶと値動きがあるのですが、基本的には商品を選んで積み立てていくだけですので、日々の評価損益を見て一喜一憂しても、何もできないので時間の無駄です。
適用商品を変えることはできるのですが、長期運用なので特にやることがないです。
最初は気になって見たくなるのですが、慣れてきたらたまに見るくらいでよいと思いました。
まとめ
今回は私の実体験を元に企業型DCをやってみた感想や、メリット等について紹介しました。
確定拠出年金と聞くと、年金なので早めに初めたほうがいいと思ったり、逆にまだ老後のことはいいかなと思ったりするかもしれません。
でも、節税効果を考えれば、早すぎるとか遅すぎるとかいうことはありません。
私自身、もっと早く始めてもよかったかなという思いはありますが、この歳でも全然遅くなかったかなと思います。(その分、家の頭金を入れられたのでよしとします)
ただ、面倒だったり、難しかったりしてそのままにしている人も多いかなという気がします。(私もそうですし、私の周りでもそういう方が多い気がします)
もし、この記事を読んで気になった方は企業型DCに限らず、ご自分が加入可能な確定拠出年金について、情報を集めて、ぜひご検討ください。
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