会社の制度で従業員持株会というものがあります。
新入社員のあまりよくわからないうちに勧誘されて始めたりしている方もいるのではないでしょうか。
また、勧誘はあまりなくても会社の制度の中にはお得なものもあるので、検討するタイミングもあると思います。
ネットで検索するとだいたい従業員持株会はおすすめしないという方が多いのですが、会社によってかなり条件も違うものを考慮せず一括りにして否定するのもなぁ・・・という気がしたので、どういう条件なら活用できるかを記事にしました。
従業員持株会をおすすめしない理由

従業員持株会とは従業員が自社株を積み立てで購入することを会社が支援する制度のことです。
まずは従業員持株会のメリット・デメリットとおすすめしない理由について説明していきます。
従業員持株会のメリット
従業員としての持株会の唯一のメリットは奨励金です。
奨励金とは自社株を購入する際に会社が一定の割合で購入金額を上乗せしてくれるものです。
従業員持株会のデメリット
最大のデメリットはフロー(給与や賞与などの収入)とストック(資産)を集中させてしまうことです。
そしてこのデメリットこそが従業員持株会をおすすめしない理由です。
もし、あなたの賞与がカットされる、あなたがリストラされるというような事態が起こるのであれば、会社の業績は悪くなっているということなので、もちろん株価は下がっているはずです。
このように会社の業績が下がれば、ダブルの影響を受けることになります。
もちろん、自分がその業界や会社を信じているから入社されたのだと思いますが、何十年という時間で考えたら会社がずっと右肩上がりということはないのではないでしょうか。
自社株に投資するということは、このようにハイリスク・ハイリターンな投資ということになります。
安定的に資産を形成するのであれば、確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)やつみたてNISAなどを活用した長期投資のほうがよいと思います。
下記の記事も参考にしてみてください。
従業員持株会に入るとしたら

とはいえ、条件と使い方次第ではお得な制度として活用することは可能と思います。
ここからは従業員持株会に入るとしたら、どのように活用すべきかを述べていきます。
奨励金は十分か?
まず、あなたの会社の奨励金は十分か検討してみてください。
東京証券取引所の2019年度の従業員持株会状況調査結果では、調査対象の3,236社の奨励金は下記のようになっています。

目安としてはこんな感じですね。
- 20%以上の奨励金を出している会社は全体の6.0%
- 10%以上の奨励金を出している会社は全体の45.7%

20%以上の報奨金を出している会社があるんですね。驚きです。
奨励金がいくらなら十分かは勤務先の株価が安定しているか、成長性があるかなど総合的に判断する必要があるので一概には言えません。
しかし、20%以上の奨励金を出している会社であれば検討の価値はあると思います。
10%でもまぁ考えてみてもよいかなという感じでしょうか。
株価は当然下がることもあるので、皆さんのリスクの許容度に応じて判断してください。
持株会から株式を引き出す
積み立てた株式が単元株(100株)になったら自分名義の証券口座に引き出します。
これで、自分のタイミングで売却できるようになります。
また、自分の名義にすることで株主優待や配当金をもらうことができます。
簡単に引き出すことができるか、制度をしっかり確認しておいてください。
証券会社に株式を引き出したらすぐに売る
持株会に入るモチベーションが奨励金である場合、購入した株式をそのまま置いておく意味はありません。
既に安く買えているものを、この先高くなるかわからないのに持ち続ける意味はないですよね。
上記で述べたように自社株を資産として持ち続けることはハイリスクなので、すぐに売ってしまいましょう。
すぐに売ることができればフロー(給与や賞与などの収入)とストック(資産)を集中させてしまうというデメリットがなくなります。
投資として考えるのではなく、奨励金だけ貰えばOKという考え方ですね。
すぐに売らない場合も、定期的に売って金額が大きくならないように気をつけましょう。
まとめ

今回は従業員持株会をどういう条件なら活用できるかを記事にしました。
- 持株会で株を買い続けたけど、株価が半分になってがっかりしている50代の方
- 自分の報酬のほとんどを自社株にして最後に会社がつぶれてしまった役員の方
を知っているので、私自身はあまり自社株を持つことをおすすめしないのですが、報奨金が好条件の会社であれば、すぐに売却することで制度としてうまく活用していけそうですね。
最後に、持株会であっても株式投資です。元本割れ等のリスクがありますので、ご自分の判断で行ってください。
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